箴言19-21; Ⅱコリント7

箴言

第19章

19:1正しく歩む貧しい者は、
曲ったことを言う愚かな者にまさる。
19:2人が知識のないのは良くない、
足で急ぐ者は道に迷う。
19:3人は自分の愚かさによって道につまずき、
かえって心のうちに主をうらむ。
19:4富は多くの新しい友を作る、
しかし貧しい人はその友に捨てられる。
19:5偽りの証人は罰を免れない、
偽りをいう者はのがれることができない。
19:6気前のよい人にこびる者は多い、
人はみな贈り物をする人の友となる。
19:7貧しい者はその兄弟すらもみなこれを憎む、
ましてその友はこれに遠ざからないであろうか。
言葉をかけてこれを呼んでも、
去って帰らないのである。
19:8知恵を得る者は自分の魂を愛し、
悟りを保つ者は幸を得る。
19:9偽りの証人は罰を免れない、
偽りをいう者は滅びる。
19:10愚かな者が、ぜいたくな暮しをするのは、
ふさわしいことではない、
しもべたる者が、君たる者を治めるなどは、
なおさらである。
19:11悟りは人に怒りを忍ばせる、
あやまちをゆるすのは人の誉である。
19:12王の怒りは、ししのほえるようであり、
その恵みは草の上におく露のようである。
19:13愚かな子はその父の災である、
妻の争うのは、雨漏りの絶えないのとひとしい。
19:14家と富とは先祖からうけつぐもの、
賢い妻は主から賜わるものである。
19:15怠りは人を熟睡させる、
なまけ者は飢える。
19:16戒めを守る者は自分の魂を守る、
み言葉を軽んじる者は死ぬ。
19:17貧しい者をあわれむ者は主に貸すのだ、
その施しは主が償われる。
19:18望みのあるうちに、自分の子を懲らせ、
これを滅ぼす心を起してはならない。
19:19怒ることの激しい者は罰をうける、
たとい彼を救ってやっても、
さらにくり返さねばならない。
19:20勧めを聞き、教訓をうけよ、
そうすれば、ついには知恵ある者となる。
19:21人の心には多くの計画がある、
しかしただ主の、み旨だけが堅く立つ。
19:22人に望ましいのは、いつくしみ深いことである、
貧しい人は偽りをいう人にまさる。
19:23主を恐れることは人を命に至らせ、
常に飽き足りて、災にあうことはない。
19:24なまけ者は、手を皿に入れても、
それを口に持ってゆくことをしない。
19:25あざける者を打て、そうすれば思慮のない者も慎む。
さとき者を戒めよ、そうすれば彼は知識を得る。
19:26父に乱暴をはたらき、母を追い出す者は、
恥をきたらし、はずかしめをまねく子である。
19:27わが子よ、知識の言葉をはなれて人を迷わせる
教訓を聞くことをやめよ。
19:28悪い証人はさばきをあざけり、
悪しき者の口は悪をむさぼり食う。
19:29さばきはあざける者のために備えられ、
むちは愚かな者の背のために備えられる。

第20章

20:1酒は人をあざける者とし、
濃い酒は人をあばれ者とする、
これに迷わされる者は無知である。
20:2王の怒りは、ししがほえるようだ、
彼を怒らせる者は自分の命をそこなう。
20:3争いに関係しないことは人の誉である、
すべて愚かな者は怒り争う。
20:4なまけ者は寒いときに耕さない、
それゆえ刈入れのときになって、求めても何もない。
20:5人の心にある計りごとは深い井戸の水のようだ、
しかし、さとき人はこれをくみ出す。
20:6自分は真実だという人が多い、
しかし、だれが忠信な人に会うであろうか。
20:7欠けた所なく、正しく歩む人――
その後の子孫はさいわいである。
20:8さばきの座にすわる王は
その目をもって、すべての悪をふるいわける。
20:9だれが「わたしは自分の心を清めた、
わたしの罪は清められた」ということができようか。
20:10互に違った二種のはかり、二種のますは、
ひとしく主に憎まれる。
20:11幼な子でさえも、その行いによって自らを示し、
そのすることの清いか正しいかを現す。
20:12聞く耳と、見る目とは、
ともに主が造られたものである。
20:13眠りを愛してはならない、そうすれば貧しくなる、
目を開け、そうすればパンに飽くことができる。
20:14買う者は、「悪い、悪い」という、
しかし去って後、彼は自ら誇る。
20:15金もあり、価の高い宝石も多くあるが、
尊い器は知識のくちびるである。
20:16人のために保証する者からは、まずその着物を取れ、
他人のために保証する者をば抵当に取れ。
20:17欺き取ったパンはおいしい、
しかし後にはその口は砂利で満たされる。
20:18計りごとは共に議することによって成る、
戦おうとするならば、まずよく議しなければならない。
20:19歩きまわって人のよしあしをいう者は秘密をもらす、
くちびるを開いて歩く者と交わってはならない。
20:20自分の父母をののしる者は、
そのともしびは暗やみの中に消える。
20:21初めに急いで得た資産は、
その終りがさいわいでない。
20:22「わたしが悪に報いる」と言ってはならない、
主を待ち望め、主はあなたを助けられる。
20:23互に違った二種のふんどうは主に憎まれる、
偽りのはかりは良くない。
20:24人の歩みは主によって定められる、
人はどうして自らその道を、
明らかにすることができようか。
20:25軽々しく「これは聖なるささげ物だ」と言い、
また誓いを立てて後に考えることは、
その人のわなとなる。
20:26知恵ある王は、
箕をもってあおぎ分けるように悪人を散らし、
車をもって脱穀するように、これを罰する。
20:27人の魂は主のともしびであり、人の心の奥を探る。
20:28いつくしみと、まこととは王を守る、
その位もまた正義によって保たれる。
20:29若い人の栄えはその力、
老人の美しさはそのしらがである。
20:30傷つくまでに打てば悪い所は清くなり、
むちで打てば心の底までも清まる。

第21章

21:1王の心は、主の手のうちにあって、
水の流れのようだ、
主はみこころのままにこれを導かれる。
21:2人の道は自分の目には正しく見える、
しかし主は人の心をはかられる。
21:3正義と公平を行うことは、
犠牲にもまさって主に喜ばれる。
21:4高ぶる目とおごる心とは、
悪しき人のともしびであって、罪である。
21:5勤勉な人の計画は、ついにその人を豊かにする、
すべて怠るものは貧しくなる。
21:6偽りの舌をもって宝を得るのは、
吹きはらわれる煙、死のわなである。
21:7悪しき者の暴虐はその身を滅ぼす、
彼らは公平を行うことを好まないからである。
21:8罪びとの道は曲っている、
潔白な人の行いはまっすぐである。
21:9争いを好む女と一緒に家におるよりは
屋根のすみにおるほうがよい。
21:10悪しき者の魂は悪を行うことを願う、
その隣り人にも好意をもって見られない。
21:11あざけるものが罰をうけるならば、
思慮のない者は知恵を得る。
知恵ある者が教をうけるならば知識を得る。
21:12正しい神は、悪しき者の家をみとめて、
悪しき者を滅びに投げいれられる。
21:13耳を閉じて貧しい者の呼ぶ声を聞かない者は、
自分が呼ぶときに、聞かれない。
21:14ひそかな贈り物は憤りをなだめる、
ふところのまいないは激しい怒りを和らげる。
21:15公義を行うことは、正しい者には喜びであるが、
悪を行う者には滅びである。
21:16悟りの道を離れる人は、
死人の集会の中におる。
21:17快楽を好む者は貧しい人となり、
酒と油とを好む者は富むことがない。
21:18悪しき者は正しい者のあがないとなり、
不信実な者は正しい人に代る。
21:19争い怒る女と共におるよりは、
荒野に住むほうがましだ。
21:20知恵ある者の家には尊い宝があり、
愚かな人はこれを、のみ尽す。
21:21正義といつくしみとを追い求める者は、
命と誉とを得る。
21:22知恵ある者は強い者の城にのぼって、
その頼みとするとりでをくずす。
21:23口と舌とを守る者は
その魂を守って、悩みにあわせない。
21:24高ぶりおごる者を「あざける者」となづける、
彼は高慢無礼な行いをするものである。
21:25なまけ者の欲望は自分の身を殺す、
これはその手を働かせないからである。
21:26悪しき者はひねもす人の物をむさぼる、
正しい者は与えて惜しまない。
21:27悪しき者の供え物は憎まれる、
悪意をもってささげる時はなおさらである。
21:28偽りの証人は滅ぼされる、
よく聞く人の言葉はすたることがない。
21:29悪しき者はあつかましくし、
正しい人はその道をつつしむ。
21:30主に向かっては知恵も悟りも、
計りごとも、なんの役にも立たない。
21:31戦いの日のために馬を備える、
しかし勝利は主による。


Ⅱコリント

第7章

7:1愛する者たちよ。わたしたちは、このような約束を与えられているのだから、肉と霊とのいっさいの汚れから自分をきよめ、神をおそれて全く清くなろうではないか。
7:2どうか、わたしたちに心を開いてほしい。わたしたちは、だれにも不義をしたことがなく、だれをも破滅におとしいれたことがなく、だれからもだまし取ったことがない。7:3わたしは、責めるつもりでこう言うのではない。前にも言ったように、あなたがたはわたしの心のうちにいて、わたしたちと生死を共にしているのである。7:4わたしはあなたがたを大いに信頼し、大いに誇っている。また、あふれるばかり慰めを受け、あらゆる患難の中にあって喜びに満ちあふれている。
7:5さて、マケドニヤに着いたとき、わたしたちの身に少しの休みもなく、さまざまの患難に会い、外には戦い、内には恐れがあった。7:6しかるに、うちしおれている者を慰める神は、テトスの到来によって、わたしたちを慰めて下さった。7:7ただ彼の到来によるばかりではなく、彼があなたがたから受けたその慰めをもって、慰めて下さった。すなわち、あなたがたがわたしを慕っていること、嘆いていること、またわたしに対して熱心であることを知らせてくれたので、わたしの喜びはいよいよ増し加わったのである。7:8そこで、たとい、あの手紙であなたがたを悲しませたとしても、わたしはそれを悔いていない。あの手紙がしばらくの間ではあるが、あなたがたを悲しませたのを見て悔いたとしても、7:9今は喜んでいる。それは、あなたがたが悲しんだからではなく、悲しんで悔い改めるに至ったからである。あなたがたがそのように悲しんだのは、神のみこころに添うたことであって、わたしたちからはなんの損害も受けなかったのである。7:10神のみこころに添うた悲しみは、悔いのない救を得させる悔改めに導き、この世の悲しみは死をきたらせる。7:11見よ、神のみこころに添うたその悲しみが、どんなにか熱情をあなたがたに起させたことか。また、弁明、義憤、恐れ、愛慕、熱意、それから処罰に至らせたことか。あなたがたはあの問題については、すべての点において潔白であることを証明したのである。7:12だから、わたしがあなたがたに書きおくったのは、不義をした人のためでも、不義を受けた人のためでもなく、わたしたちに対するあなたがたの熱情が、神の前にあなたがたの間で明らかになるためである。7:13こういうわけで、わたしたちは慰められたのである。これらの慰めの上にテトスの喜びが加わって、わたしたちはなおいっそう喜んだ。彼があなたがた一同によって安心させられたからである。7:14そして、わたしは彼に対してあなたがたのことを少しく誇ったが、それはわたしの恥にならないですんだ。あなたがたにいっさいのことを真実に語ったように、テトスに対して誇ったことも真実となってきたのである。7:15また彼は、あなたがた一同が従順であって、おそれおののきつつ自分を迎えてくれたことを思い出して、ますます心をあなたがたの方に寄せている。7:16わたしは、あなたがたに全く信頼することができて、喜んでいる。


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